乾たつみのコスコラ!! ~その67~ コスプレカメラマンのススメ


コスプレはコスプレイヤー一人で成立するものではない。
「コスプレする人」と「コスプレイヤーを撮る人」のセットで「コスプレ作品」が生まれます。
(稀に自撮りマスターは居ますが、それは特例中の特例として後日語ります)
普段はコスプレイヤーへの道を紹介していますが、今回はコスプレカメラマンへの道について書いてみます。

10年~15年ほど昔、イベント全盛期の頃は、コスプレイヤー同士が写真を撮り合うケースが多く、今ほどコスプレイヤーとカメラマンのセットは多くありませんでした。
コスプレしつつも、コスプレの写真を撮る楽しみが勝っていた時期もありました。
普段カメラを使わない人も、コスプレを撮影すると「楽しい」と、その魅力を感じ取る事が多いでしょう。

もっとコスプレイヤーを撮ってみたい。と思った方へ、コスプレカメラマンが守るべきルールや提案をいくつかピックアップします。ルールを守れば、コスプレイヤーさんとの関係性も良くなり、より素晴らし「コスプレ作品」が出来るでしょう。

1.挨拶はしっかりと

人間の第一印象は「笑顔」と「挨拶」。笑顔だけ出来ていても「挨拶」が出来ないと、胡散臭さい印象しか残らないです。
イベント中に撮影したいコスプレイヤーを見かけたら、黙って撮るのではなく「撮影してもよろしいですか?」と相手にちゃんと聞こえるように声がけしましょう。
必要以上に大声をあげなくても大丈夫です。むしろ大きすぎると警戒されます(汗
囲み撮影の時などは「便乗して撮影させていただきます」と一言いいましょう。
その声がコスプレイヤーさんに届いた場合、視線をくれる可能性が高くなります。

2.作品の世界観を知ろう

コスプレの多くは、原作のリスペクト衣装での撮影になります。
コスプレイヤーも世界観のある写真を望むので、原作の知識があればより双方が望むコスプレ作品が出来るでしょう。
理想は、原作を読んだり観たりすることですが、自身の好みや資金、時間もあるでしょう。
その時には、ウィキペディアなどで大体のあらすじと把握して、キュアのサイトの中でどんな雰囲気の写真が多いかを予習しておくと良いでしょう。
撮影が終わってから「なんかイメージしていたのは違う」と言われたり思われたりするのは心外ですからね。

3.距離感は正確に

男女比から考えて、カメラマン男性、コスプレイヤー女性の組み合わせが最も多いと思います。
男性、女性、それぞれの視点から良いコスプレ作品が生まれやすい環境でしょう。
ただ男女間の関係上、「距離感」を間違えるとトラブルに発展します。
はじめての撮影とかはどちらも緊張しているので、距離感が遠いでしょうが、回数を重ねる事により慣れてきて距離感を誤るケースが多いようです。
特に男性カメラマンの場合、ポージングアドバイスのつもりでついつい熱が入りボディタッチに及び、後からセクハラカメラマン疑惑が蔓延する事態となりますので、ご注意を!
アドバイスはあくまで口頭で。語彙力をアップしましょう。

4.認識の相違に注意

撮影をしていると「あとこれ1枚!」「もう1枚だけ」と深い追いしがちですが、コスプレイヤーそのポーズを取るために結構無理な体制をしている場合があります。
また冬のイベントやロケなどでは、内心寒さに震えていたりします。
コスプレ衣装は、普通の服とくらべ保温性に長けていない事が多いです。一見暖かそうな衣装でも足元が裸足に近いなど理不尽なデザインも多い。
その逆もまた然り。
カメラマンは私服なので、基本的には保温性がある服さえチョイスすれば、コスプレイヤーより寒さに対応することも可能です。 カメラマン基準で寒暖を判断すると、相手に負担を強いる事になるので注意しましょう。
あと、暖かいコーヒーどうぞ♪は親切でありがたいのですが、衣装によってはお手洗いが近くなって死活問題になりかねないので、なるべく避けた方が良いでしょう。

よくある認識の違いとして「アフターは撮影とセットではない」と言う事。
これはコスプレイヤー同士でも、時折聞かれる齟齬なのですが、撮影の最中はパートナーではあるが、イベントや撮影会、スタジオ撮影終了後のプライベートまで踏み込んで欲しくないという方もいらっしゃるので、男性のカメラマンさんは気を付けましょうね。
アフターを無理強いしないで、誘われたら参加するくらいのスタンスの方がトラブルを避けれますよ。

5.機材より使いこなせる知識

高級なハイスペック機材・レンズやフラグシップのカメラ本体を持っていると「この人、凄く良い写真を撮ってくれそう」と思われますが、実際にはフルオート機能しか使えないと、宝の持ち腐れですし、カメラマンとしての評価も下がります。
無理な初期投資はしないで、はじめは安くて良いので、自分が使いこなせる機材を買って、撮影に必要な知識を身につけましょう。
技術がついてくれば、おのずと必要な器材が分かるようになりますし、こだわりも出てきます。
その中で選んだ、ハイスペック機材・レンズやフラグシップのカメラ本体でなら、きっと素晴らしい写真が撮れる事でしょう。

6.パワーバランス

昔のコスプレ界隈の悪しき慣習として、カメラマンがコスプレイヤーの丁稚や小間使い扱いされているシーンをよく見かけていました。
撮影した写真はコスプレイヤーの所有物として、自分のSNSはおろか、撮った事さえも秘匿されるような状況でした。
最近は、パワーバランスも徐々に均衡を保つようになってきて、コスプレイヤーの方も撮影者の名前やSNSアカウントを紐づけるようになり、コスプレイヤーとカメラマンとの共同の制作物と言う認識が多くなってきました。良い傾向だと思います。
またカメラマン自体もSNS等で、自分の撮影作品として紹介する事も多く見られるようになってきました。

ただ、コスプレはレタッチまでが作品だと、私は考えております。
ゆえに、カメラマンも自分の作品だからと言って、コスプレイヤーの承認無くSNSなどでアップロードするのは避けた方がよいかと。
色合いのレタッチまでしてファイル転送サービスやドロップボックス、Googleドライブなどで送り、形の補正はコスプレイヤーに任せるのが、有難がられます。
中にはレタッチをみて、その段階でSNS掲載をOKするコスプレイヤーさんもいますので、千差万別ですね。

コスプレカメラマン道もコスプレ道同様に終わりは見えない沼かもしれませんが、カメラ撮影の趣味自体は長く続けれる趣味なので、ライフワークとして付け加えてみてください。

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[筆者紹介]
乾たつみ(Tatsumi Inui)
Cure WorldCosplayの中の人。コスプレ歴は四半世紀のコスプレイヤー。
世界で開催されているコスプレコンテストの審査員やメディアでコスプレの解説員を務める傍ら、コスプレステージ普及にも努めている。
【SNS】
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